売春防止法について、改正が検討されています。
衆議院の予算委員会で、高市首相も買春行為についての規制の在り方についての検討を示唆しています。
現在の売春防止法は、戦後まもなく制定され、一応売買春を禁じていますが、主に売春にまつわる周辺行為を禁ずることで、売春行為を防ごうとするものです。
売春の相手方になることも禁じられていますが、買春行為への規制が手薄になっています。
これは、法律の制定の背景として、売春が、戦後、日本が貧しい時期に行われていたことに起因します。
法律名が「売春防止法」となっているのもこのような、背景が影響しているようです。
つまり、売春を行っていたのは、戦後、身内を失ったり、寒村などから口減らしのために売られた少女が、やむを得ず行っていたという背景があります。
最近でも、タイ(タイ王国)の少女が、日本で母親から性的マッサージをする店で働かされていた事件がありましたが、戦後の日本もあれに近い状況があったわけです。
買う側にも問題はあるものの、主に売る側の問題ととらえられていたということです。
売る側の問題として規制するが、社会的な事情を考慮し、それを少し修正したという程度です。
立法過程でも「売春禁止法」が検討されたこともあったようですが、売春せざるを得なくなっている女性は、実際は処罰されるものの、処罰の対象ではなく、引き上げる対象だろうという意見があり、「売春防止法」ということに落ち着いたようです。
時は変わって、現在の日本では、無理やり売春をさせられているという女性もいますが、自ら積極的に、売春することでお金を稼ごうという女性も出てきています。
いわゆる「立ちんぼ」行為です。
更に、お小遣い欲しさに買春に応じる女性も出てきています。
娼婦は、世界最古の職業ともいわれ、世界的には売春を禁じていない国もありますが、日本の歴史や文化背景を考えると、法的な規制はするべきなのだと思います。
現行法の、立法事実の変化や、社会的背景の変化などから、買春行為自体を処罰する必要性は出てきていると思います。
性風俗営業の在り方にも影響を与えることが考えられ、ひいては性犯罪の発生件数にも影響してくると思いますので、刑事政策的な観点からの検討も必要だと思います。

