日本原燃が、青森県東方沖地震によって、青森県六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場の燃料プールから、放射性物質を含む水約650リットルがあふれたことを明らかにしました。

日本原燃は、プールの水は、通常の範囲に保たれており、安全上の問題はないとしています。

あふれた水はすべて回収し、床の汚染は確認されていないと言っています。

これらの発言から、日本原燃は、あふれた水よりも、プールの水位を気にしていることがわかります。

使用済み核燃料がプールに沈んでいる光景を、映像で見たことがある方も多いのではないかと思います。

日本原燃は、プールの水が減り、使用済み核燃料が十分な水に浸からなくなってしまうことを心配しているのです。

放射性物質の危険性だけでなく、原子炉から取り出された使用済み核燃料は、発熱量も相当なものなのです。

そのため、プールに沈め、水を循環させることで、発熱量を抑えているのです。

プールから水があふれ、水位が下がってしまうと、使用済み核燃料が十分な水につからなくなり、最悪むき出しになってしまいます。

十分な水で冷却できなくなると、放射能による汚染や発熱により、施設自体の危険性が高まってしまいます。

これは今回の地震に限ったことではなく、ロシア(ロシア連邦)がウクライナに侵攻し、原子力発電所を攻撃した時にも、貯蔵プールの脆弱性や危険性が指摘されてきました。

人によっては原子炉よりも、貯蔵プールの方を危険視する人もいるぐらいです。

六ヶ所村の施設の場合は、再処理施設なので、原子炉建屋内ではないことが、少しはマシな点かと思います。

北海道や青森といった自然豊かなところなら安全というわけではないのです。

未だ決まっていない核燃料廃棄物の最終処分場の数少ない候補地も北海道です。

地層処分により保管するというのが、今のところ予定されている保管方法ですが、これだけ地震の多い国で、大きな地震も実際に起きている地域ですので、10万年以上も地下で保管することを誰が安全と言えるのでしょうか。