福島第一原発の事故で出た汚染処理水の海洋放出が始まりました。

タンクに溜まっている水を約1200倍の海水で薄め、海へ放出します。

第1回目の放出では、17日間かけて約7800トンを放出します。

1年間の放出量は、約3万1200トンの予定です。

放射性物質の除去装置ALPSでの処理後に、現在溜まっている水の総量は、約134万トンです。

1年や2年で処理できる量ではありません。

この後1ヶ月ぐらいは1キロ先の放出口付近で、毎日、海水が採取され、トリチウム濃度が測定されます。

その後も決められた観測ポイントで海水の採取による検査は行われますが、環境への影響はこれから見守っていかなければなりません。

放出されるトリチウムの濃度は国の基準の40分の1以下です。

一度薄められたものが濃くなったりはしないようにも思えますが、食物連鎖などにより、特定の生物で、より濃度が高くなってしまう可能性はあります。

風評などの被害が生じる可能性があるため、いい加減なことは言えませんが、海外では既に中国が日本産の海産物の輸入を禁止しています。

そのため輸出予定だった海産物で行き場を失ってしまうものが出てきていますが、国内消費で支えようと、各地で消費者が支援を表明する人も出てきています。

科学的に危険性は低くても、決して環境にとって良いことはないので、海外からの批判に反論するのは苦しいところです。

特に、海には境がないため、領海内といっても、開き直るべき問題でもありません。