インターネットは回線さえ繋がっていれば、情報を通信できるネットワークです。
部分的に電波を使うこともありますが、基本的には回線(有線)でつながっています。
海を隔てた国と国同士はどうしているかといえば、海底ケーブルでつながっています。
その保守を行っている企業にSBSS(中英海底系統)があります。
中国(中華人民共和国)とイギリス(U.K)の合弁企業として設立されましたが、現在チャイナテレコムが買収に動いています。
そのSBSSが、インターネットを結ぶ、海底の光ファイバーケーブルの保守を行っています。
これについて、アメリカ(U.S.A)がインターネット上の情報を盗まれるのではないかと懸念しています。
中国資本の企業であるというだけで心配しているのではなく、保守を行っているSBSSの船が、度々衛星による追跡から姿を消しているのです。
保守船について、追跡データが存在しない空白の時間があるのです。
この間に、ケーブルに何か仕掛けをされたり、情報が盗まれている可能性があります。
一方で、保守船を追跡する衛星システムのカバーエリアが万全ではないだけという意見もあります。
つまり、意図的にデータが残らないように姿を消しているのではなく、追跡できていないだけという見方です。
真相は、わかっていません。
そんなに心配なら、この企業を使わなければよいのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、海底ケーブルの保守で、中国系の企業を使わずに保守を行うということが難しいのです。
世界に存在している保守船の数がそれほど多くなく、老朽化しているものも多いからです。
つまり、保守を行うなら、どうしてもSBSSなど中国系の企業に頼らざるを得ない現状があるのです。
安全保障上の見地から、新規の携帯電話基地局や、ドローンメーカーの選択肢から中国系の企業を排除する動きがありますが、肝心のインターネット回線は中国系の企業の関与なしに運営することが難しい状況となっています。