大人になってからバレエを観ることがあります。
スポーツのバレーボールではなく、踊るバレエです。
子供のころにやってみたかったとか、憧れとかはありません。
きっかけは、熊川哲也という人を知ったことです。
その分野の第一人者を知って観に行くというのは「にわか」にも程がある感じもありますが、それで良いと思っています。
子供の頃に有名球団の4番を誰が打っていたかと同じように、自分の時代のトップクラスの人を観てみたいと感じるのは不自然なことではありません。
日本人として英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルを務めた人の踊りを観てみたいと思ったのがきっかけです。
素人なりの感想は、音楽のような感じがしました。
生の舞台は、カットとか編集とかありませんので、ミスをすればそのまま観られてしまいます。
プロの音楽家がミスタッチを減らそうとするように、生のバレエを観ると、息が上がったり、ふらついたりしないようにレッスンしているということがよくわかります。
演奏が流れていくように、動きと動きの間に準備というものをあまり感じさせません。
熊川さんに興味を持ったのは子供(他人の子供です)への指導を観たのもきっかけです。
あれだけ踊れる人ですから、もっと高く飛べ、もっと多く回れと指導しているかと思ったら、子供の頃は感覚だけでいい的な指導なのです。
おそらく、子供の頃に無理をして、バレエを続けられなくなった人をたくさん見てきたのだと思います。
バレエなど表現の世界も、新型コロナウィルスの影響をもろに受けています。
2類の時は、満足に公演できませんから、経営者としても大変だったと思います。
ブレイキンもいいけど、ブレイキンだけが踊りじゃありません。
そんな熊川さんが、子供も理解しやすい作品を全国で上演します。
アンデルセン童話をモチーフにした「マーメイド」です。
脚が命のバレエで、脚のない人魚というのは熊川さんらしい気がします。
ご本人のコメントを紹介すると「すてきだな。自分も踊りたいな。そんな本物への憧れが、未来のバレエ人口を増やす。言葉のないバレエは想像する力を育てる。子供向けなんていう表層的な大義名分が僕は大嫌い。子供に本気になってもらうには、僕らの方が全身全霊、本気でやらなきゃ。今思うとドリフターズって本当にすごかったよね」(朝日新聞デジタルより引用)
自分も言ってみたいと思った方、ぜひ観に行ってください。
9月から全国で公演があります。
もちろん他のダンサー、他の作品も観る価値はあります。
「Kバレエ」のホームページ