東日本大震災で被災した、福島第一原発2号機の廃炉作業が進んでいます。
まず、2号機内部で溶け落ちた核燃料である燃料デブリと呼ばれる物質を、試験的に取り出す作業が予定されていました。
しかし、開始早々手順ミスで中止となりました。
燃料デブリの取り出しのために、ロボットを投入することになっていましたが、投入するためのパイプを繋ぐ順番を間違え、投入することができなかったのです。
事故後、初めて燃料デブリを取り出すことになるので、その工程については各地で説明会などが開かれ、安全性を含め詳細に説明してきたはずです。
しかし作業が始まってすぐ、ロボットを投入するための棒を繋ぎ間違えていることが分かったのです。
取り出す操作ではなく、取り出す機器を投入する前、すでに準備の段階でミスが生じていたのです。
今回取り出しが予定されていたのは、微量な燃料デブリですが、これから徐々に、量を増やしていくことが予定されています。
燃料デブリの取り出しはもちろん、これからの廃炉作業も危ぶまれます。
関係者は「ありえないミス」としていますが、実際に起こっています。
福島県は急遽、東京電力に対して着実に作業を実施するよう申し入れを行っています。
何より、燃料デブリの取り出しで、ミスをしてしまうのと同じような人が原子力発電所の運用にあたっています。
安全と言われて安心できるでしょうか。
失敗しながら科学が進歩するという側面はありますが、許容できない失敗というものもあります。
今回の原発事故は、災害が原因ですが、災害でメルトダウンしてしまう状態で原発が建設されていたこと自体が、許容できない失敗といってよいと思います。