自治体によって、高校の授業料無償化が実施されるなど、少子化により教育費の負担の軽減が可能になり、教育は充実してきている感があります。
ところが、OECD(経済協力開発機構)が、「図表で見る教育」という報告書で、2022年の日本の教育関連費は36か国中、下から3番目であることがわかりました。
OECDの担当者からは、将来世代に対しても十分な投資をしていかなければならないという指摘を受けています。
公的財源が割り当てられている割合は、小学校でOECDの平均を上回っているものの、幼児教育や高等教育ではいずれも平均を下回っています。
日本では、教員の給与も2015年から2023年の推移をみると6パーセント減でした。
この数字の評価は微妙で、新型コロナウィルスの流行時期と重なっている部分があるので、残業代が減っていたことを含む数字なのかどうかにもよります。
単に、時間外労働に対して支払われる割増賃金の割合の意味であれば、新型コロナウィルスの影響は薄くなります。
ただ、この数字についてもデータが明らかになっている22か国では4パーセント増なので、新型コロナの影響は世界的なものだったことを考えると、コロナのせいにするわけにもいかないようです。
教員に対する報酬を上げて、優秀な人材が教育の現場に集まるようにしなければならないという側面はあるかとは思いますが、実際の現場では給与面だけではなく、時間的な余裕の方が欲しいという先生が多いのではないでしょうか。
これも、教員の数が増えることにより、ある程度負担の軽減は考えられますが、現在の教員が精神疾患など健康上の理由により退職、または休職に追い込まれている現状を考えると、数だけの問題に解消できるとは思えません。