約5年近くの間をおいて、日本から中国(中華人民共和国)を訪れる際に必要とされる短期滞在ビザ(査証)を免除する措置が行われることになります。
これまで、政治的にはともかく、日本と中国の間では、人の行き来は比較的しやすくなっていました。
少し前までは、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行などを背景に、中国の観光産業の不振を打開すべく、渡航の簡易化が図られていました。
これにより人の行き来はしやすかったわけです。
日本へもたくさん中国人がやって来ていましたので、日本も爆買いなどで潤った面がありました。
ところが、新型コロナウィルスの流行により、出入国の制限が行われていました。
段階的に、制限も緩和されましたが、その間の日中関係の悪化も相まって、日本人の渡航の制限解除は遅めでした。
このあたりの、出入国の制限緩和は、当事国の疾病管理や衛生管理の政策だけでなく、政治的な関係が色濃く反映されます。
そのため、新型コロナウィルス流行後の制限緩和でも、中国の場合、日本は後回しにされていました。
ところが、アメリカ(U.S.A)でトランプ氏が次期大統領になることが決まり、経済政策としては強硬な対中政策が実施されることが予測されることに加え、中国国内の景気が落ち込んでいることから、中国政府は日本への歩み寄りを見せています。
今回の短期ビザの免除もその一環ととらえてよいでしょう。
中国でも、国慶節で日本への渡航が人気になっていたため、両国の人の移動は、これから活発になっていきそうです。