トランプ政権によるアメリカ(U.S.A)の混乱が広がっています。

元はビジネスマンですから、通常の政治家とは発想が異なるというのは理解できます。

しかし、ビジネスとしても関税障壁を設ければ、海外企業への影響だけでなく、国内景気も怪しくなるということは、わかってもよさそうです。

実業家の場合、科学研究などは机上の空論で、予算を割くに値しないと考えがちな気もします。

ただ、トランプ政権の場合、科学の先端技術で稼いでいるイーロン・マスク氏もブレーンに取り込んでいるため、科学技術の振興に力を入れてもよさそうです。

ところが、イーロン・マスク氏がトップを務める政府効率化省(DOGE)の主導で、科学分野での人員削減や経費削減が行われているのです。

人道支援を行ってきたアメリカ合衆国国際開発庁(USAID)だけでなく、米海洋大気局(NOAA)や米航空宇宙局(NASA)までもが対象となっているのです。

事案は異なりますが、かつてイギリス(U.K)でマーガレット・サッチャーが、首相を務めた時期がありました。

サッチャー首相は、政治家になる前は、化学専攻で、政治家としても、自らは科学技術の振興に努めたと自負していたようですが、「小さな政府」を目指したために、この時代の研究者の中には、冷遇されたと感じた研究者も多かったようです。

予算削減などが続くと、基礎研究の空洞化が起きがちです。

当然その分野の技術力は後れを取ります。

トランプ政権が目指すのは、「大きいことはいいことだ」のアメリカのはずです。

「小さな政府」ではなさそうです。

大きいことを目指すために、口は出すが、お金は出さない「ケチな政府」といった方が良いのかもしれません。

AIを売りにするはずのアメリカで、科学技術の空洞化が起きないことを祈りたいと思います。