日本郵便の約75パーセントの郵便局で、飲酒の有無を確認するための配達員に対する点呼が適切に行われていなかったことがわかりました。
監査では、点呼が行われていないにもかかわらず、点呼をしたという虚偽の記録が作成されていたことも分かっています。
この問題を受け、国土交通省は、日本郵便の運送事業許可を取り消す方針であることがわかりました。
実際に酒気帯び運転がなされていたことも分かっていますので、郵便物の確実な輸送だけでなく、交通の安全も脅かされていたことになります。
重い処分のように感じますが、違反の内容からすればやむを得ないのではないかと思います。
ただ、このような状況は日本郵便だけの問題ではない気がします。
結局、従業員は会社側が管理することになりますが、職業人としてのプロ意識があれば、点呼をいい加減にしたり、記録を偽造したり、ましてや酒気帯び運転することもないわけです。
日本郵便の場合は、点呼という制度が、モラルハザードになってしまったのではないかという気がします。
非正規雇用が増え、就業条件以外に、正規雇用の従業員の職業人としてのモチベーションを維持できない人が増えているのだと思います。
就業条件についても同一労働同一賃金などと言われていますが、非正規社員は、同一賃金のわけはないだろうと感じ、正規雇用の職員は、非正規と同一賃金ではやってられないと感じているのではないかと思います。
職場によっては残業を含め、その他の仕事の負担などを考えれば、非正規以下ではないかと感じている正規雇用の従業員もいるのだと思います。
このような、状況を踏まえると、今言われている賃金アップだけでなく、同時にモチベーションアップも実現できないと、事業自体が回せない状況が、様々な業界で出てくるのではないかと思います。