新型コロナウィルス流行時に、事業所の持続化給付金が支給されていました。

支給対象から性風俗事業者を除外した規定の合憲性が争われていた裁判の判決が、最高裁判所第1小法廷でありました。

結論としては、規定を設ける際の国の裁量権の行使に逸脱はないと判断され、規定は合憲とされました。

法の下の平等にも反しないという判断です。

注目すべきは、多数意見は合憲でしたが、裁判長は、反対意見として除外規定に合理的根拠は見あたらないと違憲の判断をしていることです。

コロナ対策についての政策的な判断ですので、政治的な判断としては、国民の意思から乖離するのは困難だと思います。

そうすると、性風俗事業に公金を支出するということは難しいということになります。

ただ、政治的判断で救われない少数者を救うのが司法の役割ではないかと思うのです。

性風俗については合法なら、区別を設けるべきではないと思います。

私は男性ですので、性風俗については、選択の幅がないより、あった方がよいという意見になりがちです。

しかし、男性側の都合で、しかも合法と言っておきながら、政治的な都合で、公認もできないという判断は認めるべきではないと思います。

つまり、給付の対象にできないような事業なら、事業として認めるべきではないし、事業として認めるなら、給付すべきと考えます。

よく引き合いに出されるのが、「職業に貴賤はない」という表現ですが、貴賤があるというのではなく、何でも職業として認められるわけではないと思うのです。

ただ、事業として認めるのなら、給付からも除外すべきではありません。

事業として認めておきながら、デリバリーヘルスを除外する規定を合憲と判断する司法のヘルス状態に不安が残ります。

事業として認められているのに、政治からも、司法からも救済されないのであれば、それは、不合理な差別と言わざるを得ないのではないかと思います。