米不足の問題もあり、農林水産大臣が小泉大臣に交代し、国民にとっては、お米の値段が下がって、とりあえず一安心というところではないでしょうか。
ただ、今年の米の確保にも不安があり、米価の安定には不安が残ります。
この不安は自由民主党の選挙での不安につながりそうです。
農業政策については、小泉劇場だけでなく、森山劇場も存在するように見えます。
備蓄米の放出という決断は、国民からの一定の信頼回復にはつながったようですが、当の農家には、自民党離れが起きそうな気配もあるのです。
農家は自民党の重要な支持基盤です。
一定の組織票となっているいっても過言ではありません。
それもあり、農水族のドンといわれる森山𥙿幹事長は、簡単に備蓄米の放出を認めるわけにはいかない立場にいるわけです。
他方で、政権を支える立場でもあり、農業政策について改革の必要性も感じているからか、備蓄米の放出を認めることになったのです。
当然農家からは不満の声も出ています。
通常、政治についての記事は、政策がどうあるべきかや、政治家の批判になりがちです。
特に農水族などの族議員については、既得権益を擁護する悪者と取られがちです。
ただ、今回の森山幹事長について改めて考えてみると、単なる悪者とは思えない部分も出てきます。
農水族として既得権益を守り、支持基盤も確保しなければという思いと、国民の農業政策に対する期待や生活の安定も考えなければという思いから備蓄米の放出を認めざるを得なかったように見えるからです。
むしろ族議員なのに、よく決断できたなと思ってしまいます。
党内で派閥が解消されていき、自らの立場もこれまでと同じではいけないが、これまでの政策も支持せざるを得ないという難しい立場にいるように見えます。
難しい立場に立たされた人間の悲哀を感じてしまうのです。