大坂・関西万博が閉幕しました。
開催前は、賛否両論あり、出足はあまりよくありませんでしたが、徐々に人気が出て、来場者数は2500万人を超え、盛況だったといってよいと思います。
当初、危ぶまれた収支についても、開催中に黒字に転じています。
結局、人が動けば、経済が回るという典型だと思います。
開幕当初から、メタンガスや、レジオネラ菌やユスリカの発生といったトラブルに見舞われました。
水辺の護岸の浸食や、地下鉄が止まるなどのトラブルもありましたが、このような経験も、次のイベント開催などに役立ててほしいと思います。
他方で、万博がもたらした効果も大きいのではないかと思います。
当初、建築については評判が良かったですが、展示内容についての評価は散々でした。
展示内容は、抽象的で意味が分からないという声が多かったですが、そのような展示内容に、かえって意味があったのではないかと思います。
最近は、わかりやすさやメッセージ性があるものに接する機会が増えているように思います。
展示内容として、理解しがたい、抽象的なものでも、展示する側が意図して創ったものであれば、それと向き合うことに意味があると思うのです。
観る側の感性も試されるからです。
芸術作品に、特にわかりやすさを追及したり、具象的なものでない作品があるように、展示内容であっても、わかりにくいが観る価値があるものも存在しうると思います。
理解しがたいが、創った側が本気で創ったものに、向き合うという経験は、日本人にとって貴重な経験になったのではないかと思います。
特に、若い世代の人達の心に、今のテクノロジーで表現された理解しがたい展示内容は、脈々と受け継がれ、将来その人達が大人になった時に、何かを生み出す原動力になる気がします。