海上自衛隊の新型潜水艦そうげいの進水式が行われました。

艦首に旭日旗のような太陽をあしらった布が掛けられ、軍艦マーチが流れる中の進水では、先の戦争の時、呉(広島)などの軍港でもこのような光景が広がっていたのだろうと想像がつきます。

一瞬、戦時中の映像をカラー化したものを見ているような錯覚に陥ります。

海洋国家日本では海の防衛力というのは特別な存在で、いいとか悪いとかいうよりも、80年以上経ってもあまり変わらない部分があることに戸惑う部分もあります。

そうげいは、「蒼鯨」と書く、ディーゼルエンジンを搭載した電気推進型の潜水艦です。

ディーゼル型としては最新のものと考えてよいでしょう。

それでも、原子力潜水艦に比べれば、潜水時間は短くなります。

原子力発電所は建設するのに、長期潜水可能な、原子力潜水艦を建造しないのは、予算のせいか、非核三原則が理由なのかもよくわからない部分があります。

「蒼鯨」を建造したのは川崎重工業です。

同社では、船舶エンジンの燃費性能の検査結果を改竄していたとして社会問題になりましたが、「蒼鯨」のエンジンも例外ではなく、不正があった疑いがかけれ、調査が進んでいます。

中谷防衛大臣は安全性や性能に影響はないとしています。

このように潜水艦1隻といえども、社会問題の縮図のような存在でもあります。

進水式が終わって、すぐ就航ということにはなりません。

建物でいえば、新築と同じで、何も無い状態に近いのです。

この後、装備品が取り付けられ、2027年3月に防衛省に引き渡しが行われ、その後就航ということになります。