アメリカでできた法律通称クラウド法について書きたいと思います。

クラウド法はアメリカ合衆国政府が犯罪等に関連するデータが存在する国の民間企業のサーバーなどへアクセスすることを可能にする法律です。

法律はその国の国内で適用されるのが普通です。

アクセスを可能にすると言っても日本にとっては外国の法律なのでそのままでは強制力があるわけではありません。

しかし日本企業も多国籍企業も増えていてしかもネット関連の会社となればアメリカ企業や国民と取引があっても不思議はありません。

このようにアメリカ関連の取引ある事業主がデータへのアクセスを拒否できるかというと拒否したら何か不利益があるのではないかと考えるのが普通だと思います。

ではアクセスを認めれば良いかというと日本国内の根拠法令を欠くのに個人情報などのデータへのアクセスを認めればそれはそれで問題が出てくるのです。

現実的に根拠となりそうなのは行政協定です。

アメリカ合衆国政府が外国の企業のデーターにアクセスできるだけでなく反対に外国政府がアメリカ国内の企業のデーターにアクセスしたい場合は行政協定を結んでいればそれが可能になるという内容が盛り込まれているのです。

そのため日本が行政協定を結べばアメリカ政府が日本企業のデータにアクセスできる日本での根拠法令になるだけでなく日本政府はアメリカ企業のデータにアクセスすることが可能になります。

しかしこれでは日本国内の制度をアメリカが決めているのと同じような状態ができあがってしまうので実質的に日本の立法権を侵害しているという批判は出てもおかしくはありません。

ただしこのような批判は条約が国内法としての効力を持つのと同じような論法でかわされてしまう可能性があります。

日本国内の制度がズルズルと外国の法律に引っ張られてしまうというのは決して良いことではありません。