ちょっと変わった裁判がありました。

埋立地として造られた東京湾の人工島「中央防波堤」の帰属を巡る裁判です。

東京の大田区が江東区との境界の確定を求めた訴訟の判決がありました。

「中央防波堤」は500ヘクタールあり一部は「海の森水上競技場」として東京オリンピック・パラリンピックの競技会場ともなっています。

争い自体はオリンピックの話が出る随分前からの争いです。

橋やトンネルで大田区とも江東区ともつながっているためどちらに帰属するか争われたのです。

地図で確認するとどちらに属しても不思議ではない位置にあります。

当初他の区も帰属を主張していましたが主張を取り下げ五輪招致決定後大田区と江東区の争いが本格化したという経緯があります。

そもそもどちらに帰属するかわからない状態で開発が進められていたことに驚きます。

当然ここに住所はありませんでした。

判決では江東区79.3%、大田区20.7%の帰属となり五輪競技会場は一体として江東区に帰属させるのが相当と判断されました。

東京都の調停案では会場の一部は大田区に帰属するという調停案がありました。

訴えた大田区としてはこの調停案を飲まなかったわけですが結局五輪会場については全部江東区に持っていかれることになってしまいました。

もちろん控訴すれば異なる判断になる可能性はあります。

江東区側はこれ以上税金を使って争うのは区民に申し訳ないとしているので大田区次第ということになりそうです。