関西電力の役員が会見を開き突如すでに死亡している高浜町の元助役から金品を受け取って一時保管していたが既に返却したと発言し会見を見た人を困惑させています。

高浜町は福井の高浜原発がある高浜町です。

元助役は原発工事に関わった業者からお金を受け取りその一部を関西電力の人間に渡していたようなのです。

この辺の経緯については金沢国税局の元助役に対する税務調査で原発工事に関係している建設業者から元助役にお金が渡っていることがわかっています。

関西電力の人間が言っていることが本当だとすれば贈収賄罪に該当する可能性があります。

賄賂罪については刑法第197条から第198条に規定がありそのうちの一つ又は複数に該当する可能性があります。

2条だけのように感じますが実際には枝番が入っているので6条あります。

単純収賄罪だけに限っても賄賂の対価性の立証が必要になりますがさすがに助役の立場にある者が原発関連の建設業者から億単位のお金を仕事と無関係にもらう理由が見当たりません。

相当上手い言い訳を考えても少なくとも単純収賄についてはアウトのように思います。

実際には受託収賄罪や加重収賄罪など他の類型に当てはまる事情がないかの捜査が必要になってきそうです。

この元助役は関西電力の役員が金品の受領を断ると激怒したこともあったようです。

これが本当なら単に収賄だけが目的とは思えません。

なぜなら収賄だけが目的なら関西電力に渡る分を自分の懐に入れたほうが得だからです。

会見の話から受けた印象で推測になりますがこのような行動をとった動機として原発という負の施設を受け入れる代わりに地元も自分も潤って当然。

仮にそれが違法だとしても負の施設を受け入れているのだからそのぐらいはしてもらわないとという感覚でいる感じがします。

さらに自分たちが負の施設を受け入れることで利益を得るのは違法なのに電力会社だけ事業活動だけで利益を上げることは許せないという感覚でいたような気すらします。

関西電力の人間を巻き込もうとしているからです。

発注側が手を汚してしまえば受注業者選定に公正な取引など求められることがなくなります。

こうして電力会社は他の発電方法ではなく原発、他の所ではなく高浜町を選択せざるを得なくなります。

まだ刑事捜査が進んでいるわけではなくこれから第三者委員による調査なども入ると思いますがどれだけ真実に迫れるかはわかりません。

中心人物は既に亡くなっていて死人に口なしという感もあります。

原子力がクリーンなエネルギーなら起こらなかった事件かもしれません。

税務調査の時点ですでにアウトですが、まずは関西電力の役員が言っていることが本当かどうか死亡した元助役が贈賄の方でも被疑者となるかどうかの調査が必要です。

実態が会見の話を聞いた印象どおりなのかもっと他に何かあるのか解明されることに期待したいと思います。