相続が発生するのは被相続人となる人が死亡したときです。
死亡届を出すことによって戸籍や住民票が書き換えられます。
相続人を特定するため戸籍を収集して保存しておく人は多いかもしれませんが、被相続人の死亡の原因を特定するための書類を保存しておく人は少ないのではないでしょうか。
死亡診断書やカルテは患者さんが亡くなってから5年ほどで廃棄されることが多いようです。
必要になったら病院に請求すれば良いと思っても、今まで病院を受診した全ての人の医療記録を永久に保存しておくわけにはいかないのです。
死亡の原因によっては遺族補償年金などが貰える場合があります。
後になって争われるケースは多くはありませんが、後になってから病気の原因が解明されたり、社会問題化するということはありえます。
その時に記録がないとしたら被害者であること自体が証明できないということになります。
死亡時に死亡診断書の交付を受けている場合は保存しておいた方が良いように思います。
仮に法的な争いにならなくても先祖に当たる人がどのような病気でなくなっているかは残された家族、特に直接会えなかった下の世代にも遺伝的に気をつけなければならない病気の場合には影響も大きいからです。
亡くなっている人の情報は無意味と考えがちですが、そう考えがちだからこそ情報が入手困難になってしまうのです。
相続関連の情報とともに保管しておけばそれほどスペースは取らないはずです。
過去の病気の補償などを求める気がないという方はそのような考え方もありだとは思いますが、この手の補償が遺族のためだけならともかく亡くなった方への補償の意味を含むなら無縁仏となるような人に対しても何らかの補償があって然るべきではないかと思ってしまいます。
勿論亡くなった方にお金は渡しようがないので原因となった病気などを防ぐために役立てるお金として積み立てることを義務付けるなどの方法もあるのではないでしょうか。