神奈川県の私立高校の硬式野球部で選手に素手でノックの球を受けさせて怪我をさせたとして、監督が傷害容疑で書類送検されてしまいました。
微妙な事件です。
厳密に言えば傷害といえば傷害なのだと思います。
選手が承諾していたようにも思えますが、部活動での監督からの命令だと事実上拒否するというわけにも行かない部分があります。
そのため被害者の承諾があったとは言い難い状況なのだと思います。
スポーツの上での怪我なので違法性が阻却されるようにも思えますが、競技の性質を考えると硬式野球で素手で捕球しなければならない理由はありません。
むしろ未成年の生徒を指導する者として安全配慮義務などが要求されそうです。
傷害の故意はなさそうな気もしますので、争うとすれば暴行罪の結果的加重犯的な性格を有する傷害罪で暴行の故意すらなかったのだと主張する方法になるでしょうか。
ただ硬式野球のボールを素手で捕球させる事実の認識はあったわけですから暴行の故意がないと言えるかどうかは微妙です。
このように検討してみると傷害罪になる可能性はあるということになりそうです。
ただ練習方法として捕球の感覚を掴むため、素手でなるべく痛くないように捕球できるようにして、その後グローブを付けて捕球する技術を上達させるという方法は聞いたことがあります。
問題は書類送検されるということは生徒なり親が被害届を出しているのではないかということです。
信頼関係が無さそうだという問題が一点。
それから私も聞いたことがある練習方法だとしても現在の野球でその方法を取る必要があるのか他に指導法がなかったのかという問題が一点です。
このような観点から怪我をさせた責任を問われてもやむを得ないということになるのでしょうか。
スポ根ドラマのような指導はすでに過去のものとなっているのかもしれません。
捕物だけに
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