民法の嫡出推定に関する改正の内容がわかってきたので書きます。

法制審議会の部会が検討している中間試案の内容です。

まず嫡出推定とは特定の婚姻関係にある男女の間に生まれた子供であると法的に推定することを言います。

つまり再婚している場合、前の夫との間にできた子供である可能性もあるし、現在の夫との間にできた子供である可能性もあるわけです。

子供の出生自体については婚姻していない男性との間にできた子供である可能性もあります。

それをどの男性との間に生まれた子供であるかを推定する民法の規定について今回改正の予定があるのです。

ちなみに婚姻関係にない男女の間に生まれた子供は非嫡出子と言います。

婚姻していても、婚姻していなくても、男女の間に生まれたのではない子供というのはいませんので非嫡出子というのは親がいないという意味ではありません。

日本の嫡出推定の規定は主に婚姻関係にある夫(父)との間で問題になります。

子供にとっては父親が誰かという問題です。

なぜなら妻(母)と子との関係は分娩という事実によって隠しようがないからです。

また、婚姻関係にない男性との間にできた子供は非嫡出子とされているからです。

これまでの民法では

・(現行法)婚姻の日から200日以内に生まれた子供は夫の子とは推定はされていませんでした。

(改正試案)これが改正試案では夫の子供と推定されるようになります。

この規定は離婚していない男女間でも適用がある規定です。

・(現行法)婚姻中又は離婚の日から300日以内に生まれた子は元夫の子と推定されていました。

(改正試案)これが現在の夫の子と推定されるようになります。

あくまで法律上の推定ですので実際の血縁関係を証明するものではありません。

法的にも「推定」は反証を挙げることで覆せるのであって、「みなす」のように法律の効果によって事実を確定してしまうわけではありません。

再婚禁止期間と異なり必ずしも科学的に改正後の内容の方が正しくなるということではなく、多くの男女間では改正試案の方が事実関係に近い場合が多いであろうという内容にとどまると言えます。