フードロスやリサイクルといった動きが広がっています。
食べられるのに捨ててしまうことや、まだ使える物を捨ててしまうことを減らし、売って有効利用するのは良いことのように思えます。
下手をすると廃棄費用がかかる分その費用も削減できるし、売って少しでも費用を回収できれば売上も上がり、誰も損しない仕組みのように見えます。
しかし、なぜこれまで積極的に行われてこなかったかも考える必要があります。
機会損失(チャンスロス)という考え方があります。
機会損失とは文字どおり本来得られるはずだった利益を失うことを言います。
例えば食べ物を捨てずにお金に困っている人にあげたり、格安で販売した場合、元々買えませんから売る方にとっても損失はあまりありません。
しかし正規の値段で買える人にあげてしまったり、格安で販売した場合、その人は他の食べ物は買わなくなります。
得した分のお金を使って2倍食べるという人はあまりいないのです。
つまり正規の値段で買える人にただであげたり、格安で売った場合、製造者や販売者はその人が買わなくて済んだ分の利益を失います。
これに加え時間が経ってしまって美味しくなくなったものを食べた人の中にはお金を出してまで買わなくなる人も出てきます。
このようなブランド価値を維持するためや機会損失を出さないようにするためもあって、これまで廃棄してきたわけです。
リサイクルにも同様の問題が起こりえます。
何が言いたいかと言うと新型コロナウィルスの影響で収入が減っている人が多いこの時期にその人達の家計が助かる分には有効な手段だとは思いますが、やり過ぎると経済収縮につながったり、自らの経営を危うくするリスクも有るということです。
金は天下の回りものですから、回り方は重要なのです。
こう書いている私も少しでも安く売っていないか探すという行動を取ります。
売る側が合理的な行動を取らなかった場合、需給のバランスもまた崩れていくのです。
ピンチの人に手を差し伸べる必要はあると思いますが、それ以外の人には程々にしておいた方が良いということもあります。
程々に
「身近なところにも」