今国会で提出されている法案でミスが続いていることから野党から与党への追及がなされましたが、既に可決されている現行法にもミスがあったことがわかりました。

公職選挙法です。

選挙運動の際に用いられる電子メールは送信元に関する情報などを正しく表示することを義務づけています。

これは公職選挙法第142条の4第7項に規定されています。

この規定に違反した場合の罰則規定は公職選挙法第244条1項第2号の2に規定されていて「第142条の4第6項の規定に違反して同項に規定する事項を表示しなかつた者」と定められています。

義務が第7項で罰則が第6項というように義務規定と罰則規定が対応していないのです。

気づかずに放置していたならまだしも、総務省が2018年12月には誤りを指摘していましたが、参議院の法制局では対応措置が取られていませんでした。

誤りに気づいていながら2年以上放置していたことになります。

総務省では罰則規定は立法の意図を踏まえて司法が判断するとしているようですが、第6項を第7項と読み替えることが解釈といえるのかどうか非常に怪しげなことになっています。

今回問題となっている規定に違反した場合の罰則は「1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する」というもので行政罰ではなく刑罰です。

特に刑罰に関しては厳格な解釈が要求されるので、勝手に対応条項を読み替えてしまうのは恣意的な解釈を許してしまうことに繋がりかねません。

売っている本にも誤りはありますし、人間ですから大量な文字の中に間違いがあっても不思議はありませんが、誤りがあることがわかっていながら放置していたことはいただけません。

早急に訂正する必要があるといえるでしょう。