オリンピックが始まっています。
代表選手の中に香港代表の選手がいます。
ここでちょっと待てよ、香港は中国に返還されたので中国の代表ではないかという疑問がわきます。
そこで香港の代表選手が出場している経緯を書きたいと思います。
香港は現在中国の特別行政区で市場主義経済が導入されています。
中国自体も社会主義国でありながら、1990年代頃から市場主義経済を導入しているので、その経済体制は社会主義市場経済体制と言われています。
とすると中国内部には社会主義市場経済と市場主義経済が併存していることになります。
これを一国二制度と言いいます。
香港はイギリス(U.K)から中国へ返還される際に中華人民共和国香港特別行政区基本法により高度な自治が認められるようになりました。
そのため中国の一部でありながら、市場主義経済体制が保障されているのです。
イギリス(U.K)領であった頃から純粋なイギリスでも中国でもないため香港オリンピック委員会が組織され代表選手の出場が認められていました。
中国への香港返還後は中国香港オリンピック委員会となっています。
正式名称は「中國香港」、「ホンコン、チャイナ」です。
中国への返還後は高度の自治が認められているがゆえにイギリス領であった頃の名残りとして出場が認められているというところでしょうか。
このように香港は高度な自治が認められているにも関わらず、香港政府の代表者は中国政府寄りの人間が多く、犯罪容疑者を中国本土に引き渡すという内容を含んだ逃亡犯条例の改正案が成立しそうなことをきっかけにデモが行われ、一連の騒動に発展しています。
これは象徴的な出来事であって、香港市民はこれ以外にも中国政府からの香港の自治への干渉に対する反発を感じていて、逃亡犯条例の改正案が成立すれば、干渉が更に強まることを懸念していたことから、あのような騒動へと発展したと見た方が良いと思います。
香港市民に対する弾圧を批判するアメリカ(U.S.A)は中国政府の高官に制裁を発動し、反対に中国側もアメリカの諮問機関代表者らに制裁を発動しているという状況です。
中国内部だけでなく、このような対立のきっかけにもなっているためか、平和の祭典であるオリンピックに中国への香港返還後の香港の代表選手が出場していることついては気づいている人は多いけれども、あまり説明されることはありません。
平和の祭典に見る平和でない話
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