トルコの外交関係が怪しくなってきています。
トルコ人の実業家オスマン・カバラ氏がトルコでのクーデター未遂に関与したとして身柄をトルコ当局に拘束されています。
これに欧米を含む10カ国がトルコ政府に対してカバラ氏の釈放を求めていました。
エルドアン大統領はこれに反発し、釈放を求めた10各国の大使を国外追放にすると警告しているのです。
同盟国を7カ国も含むため、実際に国外追放にするかどうかはわかりませんが、追放したら外交問題になります。
というよりも、国外追放にすると言っている時点で欧米諸国から孤立してもおかしくはありません。
5年以上も前のクーデター未遂で今頃外交上の摩擦を生じるというのも立場が苦しいということを表明しているようなものです。
エルドアン政権はイスラム化の傾向を強め、強権的な政治体制を強めてきました。
トルコ軍は変わった存在で、通常軍隊というと国の手先となったり、軍国主義を先導し、国粋主義的な傾向を強めるというのが相場ですが、トルコ軍は民衆の擁護者的な立場でエルドアン政権と対立していたのです。
2016年にトルコ軍の一部がクーデター未遂を起こし、300人近い犠牲者が出ました。
クーデター後もエルドアン政権は見せしめとなる制裁を続けてきました。
ロシアとも接近していることなどもあり、欧米諸国はエルドアン政権の強権的な政権運営を批判しているのです。
これに対しエルドアン大統領は欧米と敵対することで国内的な緊張を高め、新型コロナウィルスの影響などもあり国内経済が低迷する中、支持基盤を回復しようと強硬姿勢を強めているのです。
もともと支持していない層がいるからクーデターが起こったわけですから、孤立を深めるような行動を取ることは国内にとっても外交上も決して得策ではありません。
トルコの雲行きが怪しい
公開日 : / 更新日 :