今日は衆議院議員の総選挙の日でした。

各地でいろいろなトラブルがあったようです。

1つは期日前投票で体調が悪い母親の代わりに12歳の子供が投票してしまったというトラブルです。

公職選挙法の改正により、2016年の6月19日から選挙権の無い18歳未満の子供も投票所に入れることになっています。

そのため連れて行った父親が子供に母親の分の投票をさせてしまったのです。

投票所では名簿を確認したり投票用紙を渡す人もチェックしていますが、いずれも訪れた人が多かったため、よく確認せずに投票用紙を渡してしまったようです。

まず選挙の投票では代理で家族などが投票用紙に記入することはできません。

投票所での投票が難しい場合、投票所で補助の係員が付き、代筆してもらうか、自宅で本人が記入し郵送で投票を行うことになります。

選挙権の無い未成年者が投票所へ入る場合のルールとしても選挙人に代わって候補者名等の記入をしないことが条件となっています。

選挙権の無い子供が投票所に入ることを何故認めるのかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは選挙権の無い未成年者にも選挙への関心を持ってもらい、家庭で選挙についての話をするなど政治参加への意識を高めることに役立つことから認められているものです。

今回誤って12歳の子供に投票用紙への記入及び投票を行わせてしまったわけですが、有効票として扱われるようです。

もう1つのトラブルは京都で期日前投票を済ませた人が、選挙当日にも投票用紙を失くしたと言って現れたのですが、こちらも名簿の期日前投票済みの記載を見落とし、二度目となる投票用紙を交付して投票させてしまったというトラブルです。

こちらは選挙人に選挙権を2つ与えてしまったのと同じことになりますが、こちらも有効票として扱われるようです。

これらのトラブルは選挙に違法性を伴う欠陥を生じさせるものですが、仮に1票差で落選する候補者が出たとしても選挙がやり直される可能性は非常に低いです。

これまでの裁判で選挙区ごとの議員1人あたりの有権者数の違いから生じる1票の格差が違憲であると判断された場合でも、判決では違法を宣言するにとどめ選挙自体は有効とされています。

事案は異なるものの、同様の取り扱いがなされる可能性が高いです。

そのため落選者が今回のトラブルを法的に争うことはできますが、仮に争ったとしても裁判によって選挙自体がやり直しになる可能性は殆どありません。