法務大臣の諮問機関である法制審議会の部会で、裁判外の和解に強制力をもたせる新しい制度を盛り込んだ答申案がまとめられました。
現行法上も裁判上の和解には確定判決と同一の効力が認められていますが、裁判外の和解にも強制力をもたせようというものです。
紛争の多様化と増大に対処して、裁判手続自体を絞り込んで、裁判所の負担を減らし、審理を充実させる効果が期待できます。
これまでも、似たような制度として執行認諾文言付公正証書というのがありますが、金銭債権に限られるなど一定の制約があります。
当事者の和解に強制力をもたせるのですから、対象は金銭債権に限られないのですが、紛争は最終的にお金の問題になることが多いので、執行認諾文言付公正証書とどのように住み分けるかも改正のポイントとなりそうです。
新制度で効果が期待できそうなのが、裁判では元々ルールが異なる国際紛争や基準は明確だけれども裁判内容が守られるとは限らない離婚による養育費の問題などです。
和解であれば国によって法律が異なっても、妥協点が探りやすいですし、養育費の問題は裁判で決まった額を支払えという裁判がなされていても、支払われなければ意味がありません。
和解により支払い可能な額で手を打つということも可能になってきます。
これら1つ1つについて裁判手続きを経ないで、当事者間の和解内容に強制力をもたせることができれば、裁判所の負担は相当軽減されることになるのではないかと思います。
誤解のないように再度書きますが新設が検討されているのは、裁判上の和解ではなく、裁判外での和解です。
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「判決の条件」