できたばかりのデジタル庁の初代デジタル監石倉洋子氏が退任することになりました。

健康上の理由だそうです。

やむを得ないと思います。

後任には同庁のデザイン部門のトップでチーフデザインオフィサーの浅沼尚氏が就任する予定です。

トップの交代とは直接関係ないと思いますが、どうもデジタル庁の運営が上手く行っていないようです。

昨年末に職員に対してアンケートが行われていて、その内容が一部わかりました。

アンケートのコメントとして

「やる気を失っている若手が非常に多い」

「業務が多過ぎる」

などの意見があったようです。

かなり不満を持っている人が多いことがうかがえる内容です。

職員は民間から入庁している人もいます。

デジタル化の流れがある中で、改革を推進するような仕事を行うわけですから、元々業務量は多くなるのだと思います。

それに加え、システム開発を行うにも、法令遵守のために、事を進めるごとに、適法性の確認を行わなければならず、業務が深夜にわたっているようです。

どの官庁にも言えることですが、政治的な影響で仕事の優先順位が変わってしまうため、民間から移った人には戸惑うこともあるようです。

元々行政の縦割りの壁を超え、業務を推進するためにできた官庁です。

民間の人材の能力も活用し、デジタル化を進めるはずでしたが、民間にいた人が官庁の流儀を覚えなければならないような事態になっています。

もしも、民間人材が完全に官庁の仕事の進め方を身につけたとしたら、その人はもはや民間人材というよりも立派なお役人ということになるのだと思います。

デジタル化により業務効率を上げることが難しいことを体現してしまっているような皮肉な結果となっています。

優秀な人は多いのだと思いますので、デジタルの専門家以外にも、組織が上手く回るようなアドバイスができる人の投入も必要なのかもしれません。