岸田政権が防衛費の増額を増税で賄う方針を公表し、揉めています。

党内での調整ができていなかったのか、自民党内からも異論が出ています。

ウクライナ問題を見てしまっては、政権担当者としては防衛費を増額したくなる気持は良くわかります。

細かなお金の使い道の問題はあるとしても、防衛体制を整えることは必要なのだと思います。

しかし、増税となると話は別です。

新型コロナウィルスの影響による経済対策など、税金の使い道は他にもたくさんあります。

自民党内からも反対の声が出るのは、頼もしい気もしますが、おそらく財源に法人税が含まれているからではないかと思います。

法人税の増税については、企業から必ず反発の声が出てきます。

その時、反対していれば企業の組織票を獲得できる可能性があるからです。

そのような意図があったとしても、反対の声を抑えきれないのは、安倍元首相亡き後の岸田政権の求心力の低下と、自民党内の権力バランスが崩れたことを示唆しているように思います。

世界的に見ても防衛費を国債で賄うというのは、常道とはいえません。

建設国債という言葉は聞いても、防衛国債という言葉は殆ど聞きません。

残るは増税と考えたのでしょうが、優先順位の検討や各方面への調整が必要だったということなのだと思います。

閣僚経験を積んで順調に、首相になる準備をしてきた人でも、このようなことが起こるのかと、政治問題の難しさを感じます。

反対派は、子育て支援の財源の必要性を前面に押し出していますが、子育てに、そんなに関心があるなら、少子化も防げていたような気もしますし、少し前まで待機児童の問題が取り上げられることもなかったのではないかと思ってしまいます。