東京消防庁の出初式が行われました。

なぜ、この時期に出初式を行うか不思議に思って調べてみました。

まず、東京は「火事と喧嘩は江戸の華」といわれたように火災が多い地域でした。

そのため、まず1.消防設備や消化技術を披露して、住民に安心してもらうという目的があるようです。

この他に2.出初式を通じて火災に対する意識を高めてもらうという目的もあるようです。

2番目の目的からずれば、冬乾燥し、お正月で本格的に活動し始める前のこの時期は、タイミングとして良かったのかもしれません。

事務所の地元、上野は消防に縁が深いようです。

出初式は上野東照宮から始まったといわれています。

また、事務所の直ぐそばの御徒町は、町名変更で消滅してしまいましたが、「御徒」つまり将軍の家来が多く住んでいたことから名付けられた町の名前です。

この御徒は、将軍に直接お目にかかれない御家人で、騎乗の資格がない身分とされています。

徒歩のため御徒なのです。

武士としては下級武士に分類され、職にあぶれていた人もいたようです。

江戸時代初期は、火事の際、武家の住む地域では、町火消は活動できず、町人の住む地域で武家火消しが活動することもご法度とされていたようです。

しかし、その後、火の回りに区切りはないですし、火事も多く対応しきれないため、町火消の活動が中心になっていったようです。

火災が起きたときは、火消しだけでなく、御徒衆も火消しに走っていたのではないかと想像がつきます。

冬になり乾燥しているようですので、火の元には注意しましょう。