AIによる契約書審査のサービスが提供されています。
事業者側が法務省に対し、弁護士法違反の可能性について照会をかけていました。
これに対し、法務省が弁護士法に違反する可能性があると回答したため、混乱が生じていました。
事態を改善するため、法務省は、弁護士法とAIによる契約書審査サービスとの関係を明確にするガイドラインを近く公表する予定です。
先の回答では、弁護士や弁護士法人が、業務で補助的に活用するのでなければ、弁護士法違反の可能性が、否定できないとされています。
つまり、一般のお客さんが、法律家を抜きにして、AIによる契約書審査サービスを利用する場合、そのようなサービスを提供している業者側は弁護士法違反の可能性が出てくることになります。
ただ、AIを業務に活用する流れは、弁護士業界だけではなく、他業種にも広がっていて、民間企業の業務を制約するべきではないという意見もあります。
しかし、法律問題に対する業務については、顧客となる相談者(消費者)側の利益を保護する必要もあり、専門家としてサービスを提供する弁護士側の弁護士倫理にも関わる問題です。
自由競争市場とは言いにくい分野ですので、一定の規制は必要なのだと思います。
契約書の作成については行政書士の職域でもあり、行政書士会の見解では、契約書の作成業務については、行政書士も契約内容の交渉についてまで行えるとされています。
そうなると、AIによる契約書審査は、行政書士業務にも関わるので、ガイドラインの内容には注目したいと思います。
言い方を換えると、専門家が利用するなら、弁護士法違反にはならないということでもあるので、行政書士がAIサービスを使って、契約書作成をしていくという業務を行っても、違法となる可能性が低いことも意味しています。