岸田内閣が掲げる資産運用立国を実現するため、「新しい資本主義実現会議」というものが設けられています。

有識者を集めて初会合が開かれました。

そこでは、海外からの参入や、新規参入を容易にするため、国内の資産運用業界の慣行を打破する必要性が強調されています。

一見、資産運用業界の自由化が進められるだけのように見えますが、いよいよここまで来たかという感じです。

何がかといえば、老後の2千万円問題です。

リタイヤ後、給与収入がない状態で生活するには2千万円の貯蓄が必要と言われています。

真偽の程はわかりませんが、本当だとすると、そこまで貯蓄のない人は大勢います。

貯蓄のない人はどうなるかといえば、社会保障が必要になります。

既に社会保障費で賄うことが難しいということが予測できているわけです。

そのため、個人で資産運用して何とかしてくれと言いたいのです。

本来、政府は個人が資産運用で儲けようが、失敗しようが、あまり関心はないはずです。

これを、資産運用を自由化して競争を激しくしようとするのは、資産運用によって資産を増やしてもらわないと困る事情があるわけです。

税金の使い道が、様々取り出たされ、財源の確保が難しくなっていますが、将来的には、大きな出費が必要になってくることは間違いありません。

そのための目処はついていないということになります。

資産運用すればなんとかなると決まっているわけでもありません。

2千万円貯められなかった人が、資産運用に失敗する確率は高いように思えます。

金持ちになるチャンスが生まれるというより、貧困への自由が開かれていく感じがします。