このブログでも何度かお伝えしていますが、関西・大阪万博のパビリオンの建設が遅れています。
人手不足や円安といった建設費の高騰もあってか、着工が遅れているのです。
そのため、完成もずれ込む可能性が出てきています。
開催日は決まっているので、ずれ込まないようにするには、時間外労働をしてでも完成を間に合わせるしか無いのです。
しわ寄せが来るのは建設業界です。
人手不足に加え、時間外労働が増える可能性が出てきています。
そこで、一部の自民党議員からも、万博のパビリオン建設については、時間外労働の上限を撤廃してはどうかという意見が出ていました。
これに対し武見敬三厚生労働大臣は、一般的な業務の繁忙では上限の撤廃は認められないという立場を示しました。
至極真っ当な判断だと思います。
忙しくなったら時間外労働の上限が撤廃されるなら、上限は存在しないのとあまり変わらなくなってしまいます。
来年度から時間外労働の上限を厳しくして、労働環境を良くしていこうという流れにも反します。
さらに、今回開催される関西・大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。
労働時間は、「いのちの輝き」にも、「未来社会」にも関わってくる問題です。
その万博を開催するのに、時間外労働の上限の撤廃が簡単に認められてしまうのでは、本末転倒ということになってしまいます。
理想と現実に、どう向き合うかということに直面するのも、万博を開催する意義なのかもしれません。