アフリカのケニア(ケニア共和国)で、実在する弁護士の名前を使い、実際に弁護士活動をしていた大学生の男が逮捕されました。

偽医者は日本でもたまに捕まりますが、弁護士の場合は、名前を勝手に使う人間はいるものの、法廷で実際に活動したという話は聞いたことがありません。

ところが、このケニアの偽弁護士は、26件の事件について弁護活動を行い、全てで勝利しているのです。

どうやって偽弁護士として活動していたかというと、ナイロビに実在する弁護士の弁護士会のサイト上のアカウントを乗っ取り、資格証明書の交付を受け、活動していたのです。

実在する弁護士と、偽弁護士の大学生は、非常によく似た名前で、名前が似ていたことから、この弁護士へのなりすましを考えたようです。

ケニアでは現実的な人が多いのか、この偽弁護士の男を擁護する声が多数出ています。

実際の訴訟で勝っているため、「なぜ罰せられるのか」と言った意見や、実戦で通用するのだから「弁護士資格を与えてあげて」などの意見が出ているようです。

26件で弁護活動を行い、勝訴しているということは、普通に考えると、26件で負けた本物の弁護士がいるということでもあります。

そのため、罰せられるのは、負けた方の本物の弁護士ではないかという意見まで出ています。

そこまで言うと行き過ぎのような気がしますが、実務で通用するなら、罪を償った上で、仕事に就くために勉強するチャンスぐらいはあげても良いのではないかと思います。

ところが、ケニアでは、ケニア労働組合中央組織の数名が、ケニア政府に、個人が本来とは異なる経路で習得した知識、技能を認めて評価する公認事前学習(Recognise Prior Learning)をこの学生に認めるよう要請しています。

お国柄でしょうか。