石川県で起こった地震の被害は広範囲に広がっています。
被害にあっているのは人間だけではありません。
石川県七尾市の「のとじま水族館」で飼われていたジンベイザメ2匹が死んでしまいました。
水槽の配管が損傷して水位が低下したうえ、水温の調整装置も停止したため、冬で水温が低くなり過ぎたのです。
手をこまねいたわけではありません。
他県の水族館に協力を要請し、他の水族館も移送に協力的なところもありました。
しかし、人命救助が行われている中、寸断れている道路を通って移送が可能かどうかや、復旧作業に必要な重機をジンベイザメのために使って良いものかという葛藤があったようです。
結局、物理的な方法としては可能であるけれども、状況が許さないため、移送を断念せざるを得なかったのです。
災害のため、仕方がない部分もあるのですが、以前から災害時に動物園の動物や水族館の魚ををどうするのかという議論があります。
特に動物の場合、逃げ出したら、災害以外の参事になってしまいます。
人間の都合で飼われている動物に対する責任という問題は、最近でも羽田空港での衝突事故で、貨物室に入れられていたペットが亡くなったことでも問題になっています。
法的には、動物は法主体ではないので、動物に権利のようなものは認められないのですが、自分や周りの人間のためにも動物の命を大切にするということは重要なことです。
ただ、今回の問題は、動物の命を大切にしようという気持ちがあっても、現実がそれを許さない状況がある時にどうするかという問題を突きつけてきます。
動物を飼うということとセットで考えなければならない問題です。
単にお金だけあっても解決できない難しい問題です。