奈良県にある高松塚古墳から発見された極彩色壁画の保存施設を、同じ明日香村の中にある国立明日香歴史公園と一体化して整備する計画が発表されました。
高松塚古墳からは石室が発見され、その石室は密閉されている状態でした。
中がどうなっているか穴を開けて調べたところ、壁画が描かれていることがわかりました。
ところが石室内に外部から空気が入り込んだため、壁画に急激にカビが生える結果となってしまいました。
そのため急遽石室を開け、中の壁画を剥ぎ取って保存していました。
高松塚古墳の石室には、いわゆる飛鳥美人と呼ばれる女子群像や、風水に基づく四神が描かれていました。
四神というのは、北は玄武、東は青龍、南は朱雀、西は白虎と、それぞれの方角を守る神様をいいます。
平城京や平安京も四神相応の地に建設されたと考えられます。
そのため、最近記事に書いた木簡が出土した平城宮の朱雀門も平城宮の南側にあるということがわかります。
この四神に守られる形で石室に納められていた人は、相当高貴な身分だったと考えられます。
密閉されていたため綺麗に保存されていた壁画が、カビだらけになってしまったことは残念ですが、少しでも良い状態で保存を続けられるようにしたものです。
移動させる距離が短くなるよう、今回明日香村内の歴史施設と統合して保管する計画が持ち上がったのです。
アスカという何処か異国情緒のある響きの地名と、明日香にかかる枕詞「飛ぶ鳥の」から、この地には吉兆を表す鳥にまつわる宮があったことが伺えます。