オーロラが見えると話題になっています。
普段日本でも運が良ければ北海道などで見ることができる場合があります。
なかなか見られないため、北欧に、わざわざオーロラ観測ツアーに出かける人もいます。
ところが今回は、北海道の一部で比較的簡単に見えているようなのです。
オーロラのイメージは緑や青ですが、今回北海道で見えているオーロラは赤いものです。
これは高度などが原因です。
日本から見えるオーロラは、日本の上空で発生しているわけではありません。
オーロラが見える仕組みは、太陽から生じる太陽風が地球の磁場に遮られ、太陽風の中に含まれるプラズマという粒子が大気中に紛れ込み、大気の中の酸素原子や分子、窒素原子や分子にぶつかると発光するのです。
正確には、プラズマという陽子や電子が、酸素や窒素などの原子の中の電子とぶつかり、その電子が本来の原子の軌道の外側派へはじき出される励起状態となりますが、この電子が元の軌道に戻る時に、余ったエネルギーが放出され、発光するのです。
高度が本当に高いと大気の密度が低いため原子や分子とぶつかりにくく、オーロラは発生しません。
そこまでいかない高度の高いところで、プラズマのエネルギーが低く、低高度まで進めない状態で、酸素原子や分子にぶつかるという条件が揃うと、励起状態となった電子が元に戻るまでの時間が長くなり、光の波長も長くなるため赤く光ります。
赤いオーロラが発生するのと同じくらいの高度でも、プラズマのエネルギーが比較的高いと、プラズマはより低い高度まで進むため、同じ状態でも緑に光ります。
その次に高い高度でも緑色に光ります。
比較的高度が低いところだと、大気の密度が高いため窒素分子と衝突し、青やピンクに光ります。
プラズマのエネルギーや高度により色の異なるオーロラが発生しますが、日本から見えるものは北極の上空で発生しているため、仰角が大きくなり、高度の高い部分が見えているため、赤いものが多いのです。
言い方を換えると、それより下の方に発生しているオーロラが見えていないということです。