元SMAPの中居氏の性加害の問題への対応に端を発し、フジテレビのCMを差し替える企業が数十社以上になる異例の事態となっています。

実際に、フジテレビの番組を見ても、ほとんどACジャパンのCMが流れています。

これだけ、スポンサーが離れると、CMを流す企業は悪目立ちしてしまうので、ますますCMを控える企業が増えてしまいます。

この状態を翻ってみると、本来は正反対の立場のはずですが、フジテレビで性的な搾取が行われるような風土が醸成されたのと共通のものを感じます。

自らの本意ではないけれども、とりあえず右へ倣えするという傍観者的肯定という態度です。

スポンサーが、消費者である視聴者の反発を買いたくないのはわかりますが、フジ側に筋を通すように求めているというよりは、フジテレビを批判する側の人間と認識を共有していることを表明し、「フジじゃない方ホールディングス」の一員であることを世間に示しているかのようです。

ここまで叩かれていると、フジテレビ自体がおかしな組織のように見えますが、実際には上層部の対応が問題だったわけで、現場の社員の中には事態を把握していなかった人も多いようです。

それを考えると、今回の問題はフジテレビの上層部批判ということになりそうですが、これだけ極端になると一部の業界関係者からも指摘されているように、単に中居氏の問題だけでなく、それとはまた別の力が働いているように感じます。

とはいっても、おかしなことが行われていれば、現場も全く知らないということでもないはずで、今回の件は知らなかったとしても、上層部の感覚のズレは、やがて現場のズレにつながっていくのかもしれません。

現場レベルでのズレを露呈したのではないかと思える事案として、上垣アナの容姿いじりの件が思い浮かびます。

周りの先輩アナの対応がまずかったことからすると、やっぱりフジはおかしな組織なのかとも思えますが、考えてみれば、フジの人事の人間も、上垣アナに同じような印象を持ったはずです。

それでも、上垣アナを採用したということは、あながちズレ切っているとも言えなさそうです。

スポンサーは、視聴者の顔色を窺って、フジ叩きをしているかのようですが、上垣アナは、好きなアナウンサーランキングで上位に入っています。

それを考えると、意図してのことか、意図しないでかはわかりませんが、やはり何か別の力が働いているのではないかと思います。

お隣の韓国(大韓民国)で、大統領が突然非常戒厳を出したり、身柄を拘束されたりという事態に、世論が誘導され、利用ているように見えるのですが、問題が異なるだけで、私たちも大きな力の流れるプールで、漂っているだけなのかもしれません。