備蓄米が市場に出回り始めています。
当初、備蓄米を放出すれば投機目的の業者は、売らざるを得なくなりお米が市場に出てくるのではないかと考えられていました。
ところが、備蓄米放出発表後も、流通量に大きな変動はなかったようです。
農林水産省も調査を進め、投機的な売り惜しみは確認できず、今回の不足量は、在庫調査の対象外である中小事業者の買い集めや、生産者の売り惜しみにより生じたと説明を変えてきています。
大手の業者でもないのに、現物の米で、これだけの量のお米で勝負をかけるというリスクをとれる人はほとんどいないと思います。
食が多様化し、お米が食べられる機会が減っているといっても、やはりお米の需要は根強いようです。
現に、外食産業や、お弁当業界などでも、以前に比べて、お米をおいしいと感じることが多い気がします。
少し前に、お米が不作だった時も、稲の実入りが悪く、米粒が貧弱でも、味はおいしいということがありました。
品種改良などにより、稲についても、育成についての農業技術についても、以前よりもおいしいお米がとれるようになってきているのだと思います。
商品やサービスの提供にお米が必要な業界では、お米を確保できて初めて、営業の見通しが立つということなのだと思います。
今回のような米不足というリスクを回避するために、事業の運営に支障をきたさないような量を確保しようとする事業者の行動や、そこからもたらされる米が不足気味という情報から、各家庭でも在庫を確保しようという消費者の行動が、積み上がって21万トンになっている可能性が出てきています。