広島県廿日市市にある冠遺跡から、4万2300年前のものとみられる石器群が出土しました。
炭素年代測定の結果や石器の特徴から、4万2300年前のものではないかとみられています。
これまで、日本では3万8000年前以降に遺跡や石器が見つかっていることから、日本列島に人類がやってきたのは、この頃と考えられてきました。
石器の年代が正しいとすれば、4万2300年前には、日本列島に我々の先祖が存在していたのかもしれません。
中国(現:中華人民共和国)の同時代の石器の特徴とも似ており、大陸から渡ってきたのかもしれません。
これまで考えられていたより、日本にもっと早く人類がやってきていたとすると、日本人の歴史は古いのだと喜んでいられるばかりではありません。
日本が縄文時代には、すでに中国では文明が発達していましたので、これまでより狩猟採集生活をしていた期間が長いということにもなってしまいます。
進歩しなければならないということはありませんが、人間が日本列島にやって来て以降、人の交流の機会が少なかったのかもしれません。
初期の日本人が、大陸から陸続きでやって来たのか、海を渡ってやって来たのかは、正確にはわかっていませんが、日本での文明の発達が大陸よりも遅れていたことを考えると、簡単に行き来できなかったということは想像できます。
考古学的な資料の少なさに加え、以前遺跡での発掘捏造という事件があったため、古い年代の出土品の年代認定にも支障が出ているようです。