以前このブログの記事で「セミの戦略」という記事を書きました。

その中で素数ゼミについて書かれた本を紹介しています。

素数ゼミとは、アメリカ(U.S.A)東部で、素数にあたる年に地上に出てくるセミのことです。

なぜ素数かというと、他の個体と出会いやすくするために、約数の少ない素数の年に地上に出てくるのです。

地上に出てみたら、仲間があまりいなかったということが減るのです。

この素数ゼミは、生まれて13年後または17年後に出てくることが多いのですが、なぜ13年または17年なのかについて、京都大学などの共同研究チームが、新しい説を発表したのです。

この新しい説によれば、素数ゼミは、4年周期で発育を制御し、前の年に一定の体重を超えていれば、羽化し地上に出てくるというのです。

つまり4の倍数の年である12年目や16年目に一定の体重に達していれば、翌年羽化するということです。

どのように調べたかというと、セミは羽化する前に視覚を司る器官が成長するため眼を調べたそうです。

すると幼虫では、見えない状態の白眼から、羽化する前の年には見える状態になる赤眼に変わっていたそうです。

これは11年目や13年目のセミでは、ほとんど見られず、羽化の前年に赤眼に変わっていることがわかりました。

素数には規則性がないといわれていますが、4の倍数+1の年に羽化しているのはとても興味深いです。

ちなみに、アメリカ(U.S.A)には素数ゼミ以外の種類のセミもたくさんいますが、13年セミは南部に多く、17年セミは北部に多いようです。

個人的には、3、5、7といった小さめの素数でないのは、短い期間だと、ほとんど同じ年に生まれた個体としか出会えないからではないかと推測します。