かつて、朝鮮戦争の際に、軍需品の調達などのために日本の景気が上向いた時期がありました。

いゆわる朝鮮特需というものです。

朝鮮戦争のために、アメリカ(U.S.A)軍が、日本で装備品などを調達したことが影響しています。

この頃、アメリカ軍が日本の防衛以外の目的で日本の基地から出撃する際には、事前に日本側と協議することが必要になっていました。

ところが、朝鮮半島有事の際は、例外的に事前の協議なしに出撃できるという密約が日本側となされたのではないかといわれています。

民主党政権下の時代に、当時外務大臣を務めた岡田克也議員(現:立憲民主党)の主導で、この密約についての調査が行われました。

当時、日本の外務省は、密約の存否にかかわる文章はすべて公開したといっていたのですが、密約に関する記録は残っていませんでした。

ところが、アメリカで秘密指定されていた公文書のうち、秘密指定が解除されたものの中からこの密約に関する文書が出てきたのです。

当時の岸信介元首相が、密約に深く関わっていたようです。

問題は、時の政府に都合が悪いとしても、なぜ公文書として日本に残っていないのかということです。

あえて残さなかった可能性もありますが、どこかに残っていて分からないようになっているという可能性もあります。

重要な文書であるにもかかわらず、初めから保管されていないのか、どこにどのように保管されているのか、あるいは廃棄されてしまったのか、わからない状態ということが問題なのです。

日本では、役所内で用いられた文書の保管についても、誤廃棄などの問題が生じていますが、外交文書という、保管するのが当然のものが日本に残っていないという不可解な状態は、意図的に作り出されたものとしか考えられません。