奈良県にある東大寺の正倉院で宝庫の扉を開ける「開封の儀」が執り行われました。

保管されている宝物の点検や調査を行うためです。

宝物の一部は、奈良国立博物館で、10月25日から開催される「第77回正倉院展」で展示されます。

正倉院は、奈良時代に聖武天皇の遺品などを収めるために建立されたといわれています。

奈良時代については、このブログでも、最近「なんと奇麗な平城京」という記事の中で書きました。

正倉院は、重要な宝物などを保管する倉庫群全体を指して「正倉院」と呼んでいた時期もあるようですが、現在は東大寺の特定の建物を指します。

正倉院には、聖武天皇の遺品だけでなく、「シルクロードの終着点」と呼ばれるように海外から渡来した宝物も保管されています。

今回、宝庫の扉が開かれるにあたり、天皇陛下の勅使が派遣されています。

ちなみに、勅使は1人だけでなく、複数いるため、形式的に扉を開けてよいという確認をするだけでなく、実務的なことを担当するのだと思います。

東大寺別当(住職)といえども、勝手に宝庫が開けられないのだということがわかります。

これだけ厳重に保管されている宝物ですので、めったに観られないため、本物を観てみたいという気持ちが出てきます。

近場で、正倉院展に出かけられる人がうらやましいです。

宝庫は開けっ放しではなく、正倉院展で展示した宝物をしまうために、11月下旬に「閉封の儀」が行われます。

開けるのも閉めるのも、単なる作業ではなく立派な儀式ということです。