英語や外国語を勉強すると、日本語がかなり言語としては少数派なのだということがわかります。

特に英語とは、語順が、逆になるなど、習得することが難しいと感じる人が多いと思います。

発音なども大きく異なるため、系統が異なる言語だから、習得しにくいと思っていると、同じ人間なので共通する要素はあるわけです。

例えば、日本人に英語の発音が難しいのは、日本語の場合「子音」と「母音」の組み合わせで、ほとんどの音を発音するためだといわれます。

そのため、日本人の場合、k,t,p,sなど子音だけの音に母音を付けてしまいがちですが、これは日本人なら仕方ないと考える人が多いと思います。

しかし、日本人でも「~です」という時の、「す」の音は、最後のuをほとんど発音せず、外国人が聞いてもsに聞こえるそうです。

きちんと、文末のuを発音するのは関西の方の言葉を話す人たちです。

標準語を話す人間が、訛っていると感じる発音の方が、日本語の規則から言ったら、規則どおりということになります。

発音できないと言っているはずの音を普段から使っているということです。

その他にも、日本語を外国語として勉強しないと気付かないことがあります。

例えば、方向の「前」は、自分の視界の方向、前方を意味しますが、時間的な「前」は、自分が時間が進む方向に向いているとすれば、後ろ、つまり過去の時間を意味します。

これが、なぜかと外国人に聞かれると、説明が大変難しいです。

難しいというより、普通の日本人は、こういう矛盾しているように思える使い分けをしているということ自体に気づいていないことが多いと思います。

ところが、「before~」という表現が、英語にもあって、場所的、時間的な意味で「前」を意味します。

ということは、日本語が矛盾しているということではなくて、このような疑問は、外国語を学んだことで出てくる母語にも共通の疑問ということになりそうです。

学問的な理由は知らないので、推測になりますが、人間にとって未来は不確実なものなので、認識の対象になりづらかったからではないかと思います。

現に、英語の動詞に未来形はありません。

そのため、人間が言葉を話し始めた当初、人間の意識は、未来に向かって時間が流れるという点にはなく、確実に認識できる過去に向いていたのではないかと思います。

時間に対しての意識は、未来を向いているのではなく、見えるように確実な過去に向いているということです。

あるいは、時間の流れを順序で捉えると、過去・現在・未来の順になり、「前」、「今」、「後」の順に並びます。

ここから、過去を「前」ととらえるようになったということも考えられます。

英語は例外が多い言語などといって、自分の英語が上達しない理由を探してみても、結局はお互いさまということでしょうか。