自由民主党と維新の会の連立が合意に達しました。
連立政権が実現することになります。
合意にあたり維新の会は議員定数の1割削減を条件としていました。
この他、企業献金の禁止も目指しているようです。
議員定数の削減については賛否両論あります。
【議員定数削減した場合】
まず、議員定数削減に賛成派の根拠としては、議員が減ることにより、統一的な合意形成がしやすくなります。
議員の数が多い場合は、小党が乱立しているのと同じような状況になり、合意が形成しにくくなって、死票が多くなるのと同じような状態になる可能性があります。
相談する議員の数が減るため、民意が吸い上げられにくくなる可能性があります。
その代わり、吸い上げられた民意に基づく合意はしやすいため、政策として実現しやすくなるということが言えます。
他に、議員の数が減るので、様々な経費が削減できます。
弊害として、減った議席に価値が出てしまう、つまり議員としての立場に権力が生じやすくなるということは言えると思います。
【議員定数を削減しない(多めにする)場合】
反対に議員定数を多めに設定する考えを持つ人の根拠は、削減派の逆で、合意形成はしにくくなりますが、多様な民意を吸い上げる機会が増えます。
相談する議員は増えますが、政策として実現されるかどうかは微妙になります。
議員の数が増えるので、議員としての立場には権力が生じにくくなります。
議員の数が増えるので、経費は増えます。
【維新の会の政策についてみると】
これを前提に、維新の会の政策を考えると、矛盾というか、プラスマイナスゼロの部分が出てきてしまう気がします。
企業献金を廃止するのは、政治と企業の関係を断ち切るためだと思いますが、議員定数を削減すると、議員としての立場に価値が生まれてしまうことになります。
つまり、議員に利権が集中しやすくなり、企業は利益を供与することで、自らの利害に都合の良い政策の実現を、より議員に求めるようになるということです。
そうすると、企業献金という形での利益供与は禁止する一方で、政治家の権力は強まるので、企業献金と異なる形で利益供与が行われるようになるだろうという予測がつきます。
ここをどうするかをセットで考えないと、プラスマイナスゼロというだけでなく、企業献金のように政治資金収支報告書に記載されるのとは異なる形、つまり政治資金収支報告書に記載されないか、わかりにくい形で、企業から政治家に利益供与を行う新しい方法が出てきてしまうことになるのではないかと思います。