11月下旬に、和歌山県のアパート解体現場で、ショベルカーをトラックに積み込もうとして横転し、作業員が亡くなりました。

本来トラックに載せる際に、とるべき方法ではない、危険な方法でショベルカーを積み込もうとして起きていた事故であることがわかりました。

このブログでも、4年ほど前に「ベテランの方ほどご注意ください」という記事の中で、同様の事故について書いています。

この時は、香川県の現場で、今回とは逆に、トラックに載せてあったショベルカーを地面に降ろす際に、今回の事故と逆の方法で降ろそうとして、ショベルカーが横転し、運転歴20年のベテラン作業員が亡くなっているのです。

今回は、この時と逆なので、地面からトラックに積み込む際に、スロープを使わずに積み込みが行われていたのです。

本来スロープ付きのトラックを使うか、別にスロープをかけてトラックに積み込むべきだったのです。

ところが、ベテラン作業員ほど、運転に自信があるため、スロープを使わずに、積み降ろしが行われることがあるのです。

今回事故が起きたのは、次のような方法です。

(以下の方法は行ってはダメな方法です)

1.トラックの荷台にアームを着けます。

2.アームを荷台に押し付けながら、そのまま前進し、クローラー(キャタピラー部分)を持ち上げ、前方を斜めにトラックの荷台にかけます。

3.アームと運転席を180度回転させ、地面にアームを着けます。

4.アームを地面に押し付けながら、後進してショベルカーを荷台に載せます。

この方法でスロープを使わずにショベルカーの積み降ろしを行うのです。

3.のアームと運転席を180度回転させる時に、重機がバランスを崩し、運転席から放り出されたり、倒れた重機の下敷きになることがあるのです。

正確な運転操作ができるかどうかだけでなく、危険な方法を回避する判断ができるという方向で、ベテランの判断力を使ってほしいと思います。

繰り返しになりますが、ベテランの方ほどご注意ください。