ウクライナとロシアの戦争が終わる気配を見せません。
西側諸国はロシアに対する経済制裁を強め、西側資本はロシアから撤退しています。
日本も協力しなければならない立場にあります。
ただしウクライナ情勢とは別にロシア外交や貿易が行われてきた経緯も存在します。
液化天然ガスでは、ロシアの開発事業である「サハリン2」に、日本企業が出資し、事業がロシア側に譲渡されていました。
新たなロシアの運営会社から日本企業に契約の更新が打診されています。
日本の電力会社やガス会社は契約を更新する方針のようです。
天然ガスの供給を止められても制裁に踏み切った諸外国に対しては後ろめたい気持ちもありますが、パイプラインを残さなければならないのはガスだけに限りません。
特にロシア側から同条件での打診があったということが重要です。
ドイツと同じとはみなされていないということです。
ウクライナとの戦争の終結やその後の外交のためにもロシアとの接点も必要です。
それだけでなく、日本は背に腹は代えられない部分もあります。
それほど日本は資源に乏しい国なのです。
ただし、いざという時はやせ我慢をしてでも同盟国と連帯する覚悟は必要です。
ロシアと取引することになりますが、事業に出資していた企業や電気ガスの会社を叩いてはいけません。
日本政府の意向でもあります。
「NOと言えない日本人」に対して「NOと言える日本」という本がありましたが、NOと言ってはいけない場面もあります。
NOの言い方が難しくなった日本というのが今回の契約更新でしょうか。
パイプライン
公開日 : / 更新日 :