日本語の難しさと向き合うことになるニュースに出くわしました。
東京の神田にある居酒屋の経営者が電話番号の販売会社を実質的に経営していました。
販売した電話番号は特殊詐欺に使われていました。
というよりも、特殊詐欺に使われることがわかっていて販売していた容疑です。
このニュースについて、「電話番号を売っていた」という報道がなされたため、私は当初、居酒屋の経営者が、たくさんお客さんの電話番号を知っていて、その電話番号を特殊詐欺を仕掛ける相手の電話番号として売っていたのかと思ったのです。
しかし、ニュースをよく聞いてみると、居酒屋とは別に、電話番号の販売会社を経営し、特殊詐欺に使う電話番号を販売していたのです。
このように、犯罪の手段に使うための道具を扱う業者は、”道具屋”などと呼ばれます。
特殊詐欺に電話番号を使う方も、自分たちの身元がバレないように、いろいろな所からは、犯罪の道具は調達しません。
例えば、容疑者の男のように限られた者から調達するのです。
更に容疑のかかっている男は、口止め料のようなお金も得ていたようです。
犯罪に使う電話の電話番号を売っていたことを何と表現するかと言われれば、「電話番号を売っていた」という表現が真っ先に浮かびます。
しかし、居酒屋のように不特定多数のお客さんを相手にする商売をしていると、お客さんの電話番号を教えていたのかと勘違いしてしまいます。
今回のニュースは、日本語というより、伝え方の難しさなのかもしれません。