長崎県の通信販売会社、ジャパネットホールディングスが、長崎市に長崎スタジアムシティを開業しようとしています。

1000億円をかけて、JR長崎駅から徒歩10分の所に、スタジアムと併設された、ホテルや商業施設、オフィス棟などを備えた複合施設を建設したのです。

こけら落としてして、地元出身の福山雅治さんの無料ライブが行われました。

ジャパネットは、創業者の髙田明氏が地元のカメラ屋から始めたものです。

通販で頭角を現し、規模が大きくなってからも、地元を離れず、テレビ局からではなく、スタジオを備えた自社施設から通販番組を放送できるようになっています。

そのジャパネットが、街づくりにも乗り出したわけです。

ジャパニーズドリームがあるとすれば、その1つの形といってよいかもしれません。

各県に1社でもジャパネットのような企業があれば、日本の経済も更に発展するのではないかと思います。

実は、この長崎スタジアムシティの建設地は、戦争当時、三菱重工長崎造船所幸町工場の敷地だったところで、敷地内に福岡俘虜収容所第14分所がありました。

長崎原爆戦災誌の記載によれば、当時約400人の捕虜が収容されていて、60人~80人が亡くなったということです。

長崎に落とされた原爆の被爆地の一角だった所なのです。

くしくも、ノーベル平和賞を、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が受賞したところです。

平和のための活動には、大きく2つの方向があるのではないかと思います。

1つは被団協のように、被爆体験を受け継ぎ、核兵器の使用を禁ずる方向での活動です。

もう1つは、ジャパネットのように、新たな平和のために、被爆した地域も積極的に復興、開発していくという方向です。

どちらも必要なことなのだと思います。

ただ、平和になったから大丈夫という考えだけでは、決して大丈夫ではないということが、今回の被団協がノーベル平和賞を受賞した理由の1つなのではないかと思います。