最新の研究で、原子核の形が「アーモンド」形であるという理論が発表されました。

アーモンド形というとラグビーボールのような形をイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、これまでがラグビーボールのような形ではないかというのが定説で、今回の研究で、ラグビーボールをつぶしたアーモンドみたいに種のような形をしているのではないかということがわかったのです。

学校の教科書に載っているような球形だと思っていた方は、あれは、1つのモデルで、教科書のように原子核を球形と考えると、説明できない実験結果が出てきていたので、ラグビーボールのような楕円体説が提唱され、この理論が、1975年にノーベル物理学賞を受賞していました。

それ以来、ラグビーボールのような楕円体であるというのが定説だったのですが、その後の量子論の発展や、陽子や中性子の間に強い力が働いているという研究を踏まえ、改めて検証し直した結果、単なる楕円体よりもアーモンド形であると考えた方が、原子が安定するということがわかったのです。

この理論を、日本のスーパーコンピュータ富岳を使って検証すると、理論どおりの結論になるということが分かったのです。

原子では、この他、教科書に載っていたイメージ図から、電子が惑星のように原子核の周りを回っていると思っている人がいますが、これもモデルで、実際には雲のように広がっていて、電子の位置を特定することはできないといわれています。

今回の、原子核がラグビーボールのように単なる楕円体ではなく、それを少しつぶしたようなアーモンド形であるということや、電子が原子核の周りを回っているのではなく、雲のように広がっているという、より正しい原子の姿をイメージすると、物質というよりは、生き物のような感じがしてきます。

考えてみれば、惑星の軌道も真円ではなく、楕円であり、これは重力の影響によるものと考えられています。

原子のつくりも、天体と同じようになっていて、重力が関係しているのかもしれません。