京都大学の特別教授、北川進さんがノーベル化学賞を受賞しました。
おめでとうございます。
北川先生の授賞理由は、金属有機構造体を開発したというものです。
漢字で書くと長いです。
要するに金属と有機物でできた化学物質を役に立つように合成したというものです。
どう役に立つかというと、この金属有機構造体(MOF)は、小さな穴が空いていて、個体の物質をより分けるだけでなく、気体を分離することもできるのです。
MOFは、おそらく東京大学で言ったら財務省(Ministry of Finance)だと思われますが、京都大学の化学者に言うと、金属有機構造体(Metal Organic Framework)ということになりそうです。
私の場合は、動物のモフモフです。
この金属有機構造体は、産業分野はもちろん、環境分野での活用も期待できます。
有害物質の除去や薬を創ることにも使えてしまう応用範囲が広い技術です。
どのぐらいすごいかというと、1グラムでサッカーコートぐらいの表面積があるのだそうです。
ノーベル生理学・医学賞を受賞した、大阪大学の坂口先生も京都大学出身ですので、やはりノーベル賞受賞者に京大出身者が多いというのは気のせいではなさそうです。
北川先生も、研究のための計算で、京大でコンピュータを借りていたそうですが、多くの研究者が使うため、計算するのに待ち時間が長かったそうです。
その待ち時間で、化学物質の構造を学生に描かせたところ、穴が空いていることが分かったそうです。
それで北川先生が、この穴使えそうだということになり、今回の研究につながったわけです。
コンピュータの計算の待ち時間さえ、世界的な発見につながってしまうんですね。
タダでは転ばんなあ。